TKなんか嫌いと思っている方へ |CAROL

処方

CAROL (TM NETWORK)

効能・注意

・コンセプト・アルバムの魅力を実感できます。

・30年以上前の楽曲に近未来を感じます。

・この時代を超えるTKには出会えないかもしれません。

収録曲

01. A Day In The Girl’s Life (永遠の一瞬) 02. Carol (Carol’s Theme Ⅰ)

03. Chase In Labyrinth (闇のラビリンス) 04. Gia Corm Fillippo Dia (Devil’s Carnival)

05. Come On Everybody 06. Beyond The Time (Expanded Version)

07. Seven Days War (Four Pieces Band Mix) 08. You’re The Best

09. Winter Comes Around (冬の一日) 10. In The Forest (君の声が聞こえる)

11. Carol (Carol’s Theme Ⅱ) 12. Just One Victory (たったひとつの勝利)

13. Still Love Her (失われた風景)​

メディアミックスの先駆け

 1988年に発売されたTM NETWORK6枚目のオリジナルアルバム。ロンドンから少し離れたバースという街に住むキャロルが、異世界で盗まれた「音」を取り戻すというストーリーをモチーフにしたコンセプト・アルバムになっています。ここからミュージカル風のライブ、小説、アニメ、ラジオドラマなどさまざまなメディア展開がされた当時としては画期的な作品でした。

TMvsBOOWY

 僕の中学時代、TMとロックバンドのBOOWY(ボウイ)は男子の人気を二分していました。というと大げさで、うちの学校では圧倒的にボウイが人気でした。

 僕はもちろん少数のTM派。TMの魅力は俯瞰の視点で描いた独特の世界観です。「俺はお前を愛しているぜ」的な曲もまあいいのですが、TMは世界や地球を歌っている。それが衝撃でした。CAROLはその中でも異色の作品ですが、今聴いても懐かしいだけでなく、どこか近未来を感じます。

 TKというと90年代のプロデュース曲が有名ですが、80年代の楽曲、そこまで売れなかったけどTM時代の方が好きというファンは多いと思います。「TKって商業音楽でしょ」と距離をとっている方には、ぜひこのアルバムを聴いてもらいたいですね。大衆性を維持しながら芸術性も高い。電子音、ダンスだけではない。引き出しの多さを感じる作品です。

物語を紡ぐ音楽

 01~04はオープニングから冒険までキャロルの物語が演奏されます。06は世代ど真ん中、ガンダムシリーズの映画「逆襲のシャア」の主題歌、07は映画「ぼくらの七日間戦争」の主題歌です。キャロルとは直接関係のないシングル曲ですがアルバムの中でうまくはまっています。

 隠れた名曲08、バラードの名曲09を経て物語はクライマックスへ。ロンドンの風景が描かれるラストの13はアニメ「シティーハンター」のエンディングとしても有名です。

 アルバム全体も各曲どれもがお薦めですが、特に07は学生時代に勝負曲として大事な場面に向かう場面には必ず聞いていました。

 「Revolution ノートに書きとめた言葉 明日を遮る壁 乗り越えてゆくこと」のイントロから「すべてを壊すのではなく何かを捜したいだけ すべてに背くのではなく自分で選びたいだけ」と10代の思いを表現し、「Seven days war Get place to live ただ素直に生きるために」と結ぶ。10代の僕を支え、今も奮い立たせてくれるメッセージです。

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