個人事業主1年目の強化書(天田幸宏)
開業1年目にやるべきことが分かるから、不安なく1歩が踏み出せる。起業支援情報誌の編集者として、18年間でのべ3000人以上の個人事業主や起業家および予備軍を見てきた著者によるかゆいところに手が届くポイントが満載。食いっばぐれない、仕事が途切れない。やっておきたい100のこと。
本書カバーより
このまま、勤めるのは嫌だ、と思っている人が多いからこの手の本が常に書店に並ぶのでしょう。中でもこの本は実践的。手っ取り早くもうける方法ではなく、着実に一歩目を踏み出すノウハウが満載です。独立に興味のある人は必読。
お薦め度
個人事業主
調査をしたことはありませんが、大半の人は勤めを辞めたいと思ったことがあるはず。では独立したいと思ったことはありますか?僕は勤め人が周囲に少ない環境で育ったので、自分が勤めているのも何だか不思議な気分です。独立したいなというのは、ずっと感じています。仕事柄、個人事業主と接することは多く、いいなあと思う反面、大変さもまた感じています。どっぷり勤め人の世界に浸かった今、独立できるかどうか。でも、一歩踏み出してわくわくしてみたい。いろいろな葛藤があります。
やりたいこと、やりたくないこと
やりたいことを書き出せ、というのはいろいろな本で紹介されている手法です。この本にもそんなくだりがあります。人生100のリストをつくろうと。ここに挙げるような項目は本当に自分がやりたいこと。いずれとか、退職後とか先送りして何も手を付けずにいたら、何のための人生かと思ってしまいます。これと同時に大切なのが、やらないことリストかもしれません。個人事業主は1馬力。いろいろな仕事を引き受けても、1人では限界があります。本当にやりたいことに打ち込むために、やらないと決めておくことも大切です。
僕は仕事としては、人、モノ、地域の物語を引き出して、つなぎ、共有して新しい物語を生み出してみたい。それは勤めながらできるのか、独立する必要があるのか。独立してやりたいけど、まだその道筋は見えていません。プライベートでは、全国各地にでかけたい。47都道府県でもまだ訪れたことのない地がたくさんあります。観光地を巡るより、その地を暮らすように旅してみたい。それには時間が必要です。付き合いたくない人ととは付き合わない、やりたくない仕事はやらないなど徹底しないと、とても実現しません。
継続的に稼ぐ仕組み
個人事業主に必要なのは、継続的に稼ぐ仕組みでしょう。大事なのはフローとストックのバランスです。新規顧客から単発で受注するのはフロー、保険のように一度の契約で収益が継続するのがストックです。ライターで生きていく場合、原稿ごとの収入はフロー、原稿を集積した自分のメディア(ブログなど)での収益がストックといったところでしょうか。何となくこれならやれるかなというイメージはできてきていて、実践に移れそうです。でも、柱は3本はほしいところ。継続的な仕組みができ、それが働き過ぎにならなないなら、即独立しようと思います。
仕事とプライベートの垣根
仕事とプライベートの垣根、みなさんはどうしていますか。同じ記者の仕事をしていても、垣根をしっかり築いている人、ほぼない人がいます。僕は仕事とプライベートの垣根はほぼ感じていません。趣味の一つとして仕事をしているようなところがあって、休日の仕事も楽しみながらやっています。もちろん、楽にできるわけではありません。中には納得のいかない仕事もあるし、家族には冷たい目で見られることもあります。でも、仕事を趣味にしているというか、趣味が仕事になっていると、変な垣根ができず、ストレスはきっと他の人より少ないと思います。ただ、せっかく頑張っても、待遇は頑張らない人と変わらない。勤めているとそれが現状です。その辺も独立で解消できないかと考えています
編集後記
独立している先輩に、どうですか?と聞いてみました。といっても、先輩は定年退職後の独立なので、ずいぶん条件は違います。退職金ゼロの会社だったので、直後はなかなか大変だったようです。働かないと食べていけない状況下での独立ですが、仕事は楽しい、続けたいと話していました。勤めている時より、いきいきしているかもしれません。僕も50を前に、いよいよ具体化してきました。こうご期待。