密のない旅をしたい方へ|熊野古道巡礼の旅

処方

熊野古道巡礼の旅(髙森玲子+熊野古道女子部)

効能・注意

・本を手に歩き出したくなります。

・歩いた先にグルメと温泉が待ってます。

・ただし、熊野はどこからでも遠い場所にあります。

こんな内容

 紀伊半島の奥深く、太古の昔から神々が宿る地、熊野。聖地へと続く熊野古道は、歩くたびに生まれ変わる感覚がある。忘れていた本来の自分に還る旅へ。きついと思われがちな熊野古道のイメージを変える。楽しく歩いて、癒やされる。古道周辺のグルメやカフェ情報も満載。新しい熊野古道ガイド

そもそも熊野古道とは

 熊野古道って名前は聞いたことがあるけれど…。という人は多いですよね。

 熊野古道は熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の参拝に向かうために開かれた道です。平安時代には上皇や貴族がこぞって熊野詣でをし、徐々に庶民にも熊野信仰が広まりました。江戸時代頃までは「蟻の熊野詣で」と例えられるほどでした。

 2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録され、世界からも注目を浴びるスポットに。今はコロナ禍で訪れる人は少ないですが、近年は世界中から多くの巡礼者が訪れていました。

 巡礼の道の世界遺産はスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの道」と世界でたった二つ。二つの道は「姉妹道提携」しています。両方の道を歩いたことを証明する共通巡礼手帳もあります。「そんな人、滅多にいるものか」と最初は思っていたのですが、これが結構いるんです。僕もスペインの道を歩いたことはあるのですが、ラストの5㌔程度なので、証明書はもらえません…。

熊野の歩き方

 ガイドは人気ルートの中辺路、旅の最終地点・本宮、新宮や那智勝浦など海の熊野、熊野の入り口という意味で口熊野と呼ばれた田辺市街地の4部で構成されています。古道の地図や見どころに加え、穴場的なパワースポットや温泉、グルメ、カフェ、土産の紹介に大きく紙面を割いていて、眺めるだけで楽しいし、きっと行きたくなります。客観的な情報だけでなく、体験談が随所に盛り込まれ臨場感たっぷりです。

 実は地元でも熊野古道を歩いたことがないという人は意外に多いもの。小中学生時代に遠足で歩いて、「しんどかったからもう行きたくない」という声もよく聞きます。でも、このガイドなら見方がまるで変わるはず。歩きながら癒されて、興味を持てばさらにディープな世界へ入ってみては。

熊野古道女子部

 ガイドの制作をきっかけに生まれたのが熊野古道女子部。熊野古道を楽しく歩き、その魅力を日本と世界に伝えていくことを目的とした女子の会です。この女子部のパワーがすごい。入部資格は原則「熊野エリア外在住」ですが、しょっちゅう「エリア内」で活動しているほか、駐日スペイン大使夫妻を直撃して国際交流に一役買ったこともあります。最近、地域に住んではいないけれど、地域と関わり続ける「関係人口」が注目されていますが、まさに「関係人口」のど真ん中の存在です。活躍ぶりはユーチューブチャンネルでも配信しています。こうした人たちを引き付ける熊野、地元はすごいところ、なんでしょうね

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