恋愛の比重はどのくらい?/さよならのつづき

ドラマ

さよならのつづき(2024年、日本)

事故で最愛の人を失った後、導かれるようにひとりの男性と出会ったさえ子。実はその男性は、さえ子の亡くなった恋人から提供された心臓に命を救われ、その記憶も引き継いでいて…。(ネットフリックス公式ホームページより)

熊野堂
熊野堂

面白くないわけではないけれど、期待値ほどでもない。映像はきれいだし、役者もいいけど、何かが足りない。でも、人生に恋愛の比重の大きい人はもう少し楽しめるかも。

お薦め度 

ポイント

・偶然か必然か

・恋愛の比重はどのくらい?

・余命もののの法則

・名バイプレイヤー

偶然か必然か

 臓器提供により命が助かった人と、臓器提供者の関係者。本来会うはずのない2人が、偶然に偶然が重なり出会う。実はその前から接点があってという展開。「やりすぎでしょう」というぐらい偶然が重なる展開なのですが、全部ただの偶然ではありません。世の中にただの偶然なんてない。全てそれぞれの選択の先にあるもの。さまざまな選択が重なって生まれているもので、ある意味全て必然。ドラマの根底にはそんなメッセージがあるように感じます。

 あの人と同じ学校出身なのも、あの人と同じ会社に勤めているのも。すべては無数の人々の選択が重なりあって生まれた偶然であり、必然なのです。今日もあなたの選択が、新しい出会いや別れを生んでいるかもしれない。このドラマの展開はその一部にすぎない。どこでも起こっていること。とも言えそうです。

恋愛の比重はどのくらい?

 人生における恋愛の比重はどのくらいでしょうか?図る術はありませんが、明らかに比重が大きい人と小さい人がいます。僕は正直、それほど恋愛もののドラマは共感できないというか、そこに必死になる前にもっとやることがあるのではと思ってしまう方ですが、恋愛の比重高めの人(もしくは高くないので、高くなりたいと思っている人)は、どっぷりはまれるのでしょうね。

 学園ものでもオフィスものでも、韓国の王朝劇でも。恋愛の比重が大きすぎて、いや仕事は?政治は?と僕なら思ってしまうのですが、主人公はそんなことそっちのけで、自分の恋愛に忙しい。「君が全て」「君のためなら死ねる」みたいなセリフはきれいかもしれないけれど、どうも僕はなじみません。

 その点、このドラマは少し違う。適度の距離感があって、その辺は好感を持ちました。

余命ものの法則

 本来出会わないはずの2人が出会い、ちょっと複雑なラブストーリーが始まるのが、このドラマのポイントなのですが、余命ものの法則はここにも出ています。出会う男女が美男美女であること。もし、恋人の心臓を移植していたのでがもっと格好悪いおっさんだったら、たとえ記憶を維持していたとしても、こんなに接近することがあるのか。むしろ、そっちを題材にした方が興味深い。恋人は男前だったけど、移植先の男性はさえない中年。太っていて、頭も薄く、オタク気質。でも、亡くなった恋人の記憶を持っている。これでラブストーリーが展開できるか。比重高めの人に届く話をぜひつくってもらいたいです。

名バイプレイヤー

 今一つかなと思いながら全8話を見ることができたのは、ひとえに名バイプレイヤーのおかげ。移植先の男性の妻役、中村ゆりです。彼女はさまざまなドラマに脇役で出ていますが、いつも目を引く美しさで、誰だこの美人と調べると「また中村ゆりか」となるのです。役柄に応じ、毎回雰囲気は異なるのですが、美しさは隠しきれない。今回も複雑な心境の妻役を好演していました。中村ゆりを見るためにドラマを見るのはありです。

 僕が意識するようになったのは朝ドラ「花子とアン」。ヒロインに夫を取られる役(劇中では病気で亡くなった後ではありますが)。以降、さまざまなドラマに出ていることに気づきました。美人で、かわいらしさもあって、ロリっぽくない。女性俳優の好みは長年、原田知世と言ってきましたが、今は中村ゆりかも。ちなみに、満島ひかりも推しています。

編集後記

 まあまあ、面白いけど、すぐに次が観たい、というほどは引きこまれない。ところどころのエピソードはきれいで、それなりには楽しめるのですが。ただ、ラストはなかなかいいと思います。ドロドロ的な展開にはならないので、家族で安心して観てもらえます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA