大長編に挑戦したい方へ|グイン・サーガ

処方

グイン・サーガ(栗本薫)

効能・注意

・ファンタジーの魅力を堪能できます。

・群像劇、大河ロマンが好きな方に最適。

・完結するかどうか不安です。

こんな話

 中原で3千年の歴史を誇る由緒正しき王国パロは、ある日突然、新興国モンゴールの奇襲を受け、一夜にして滅びる。王家の血をひくリンダとレムスの双子の姉弟は、ある力によって辺境の森に難を逃れる。だが、そこにも追手が迫り窮地に陥るが、突如現れた豹頭人身の怪人・グインが2人を救出する。グインは自身の名前と「アウラ」という言葉以外の記憶をなくしていたが、圧倒的な戦闘力と知略を持っていた。リンダとレムスが国を取り戻す旅、そしてグインが自身の記憶を取り戻す壮大な旅が始まる。1979年刊行の「豹頭の仮面」以来、140巻以上(栗本薫は130巻まで)が発表され、いまだ完結していない大長編。

大河ドラマ

 

 グインを主人公にした大河ドラマ。国と国との間で繰り広げられるさまざまな戦い、策謀、興亡の歴史を背景に、宮廷や市井の人々の野望、友情、恋愛などが描かれます。とにかく長くて、登場人物の数も膨大。主人公はグインですが、他にも主人公級の活躍をする人物が多数おり、グイン不在のまま何巻も話が進んでいくことも。キャラクターの群像劇として楽しむのもよし、1人のファンになって追いかけるのもよし。ファンタジー、戦記物としても楽しめます。

 最初に提示された謎。なぜ、リンダとレムスは陥落した首都から脱出できたのか。そもそも、なぜパロは新興国モンゴールの奇襲を許したのか。何よりグインは何者でどこから来たのか。物語が進むと回収されていく伏線の数々。長さを気にせず夢中になって読み進められます。

戦記物

 新興国による大国への侵略、さらにその復讐戦。それがまた新たな戦いの火種となる。隣国同士の駆け引き、国内での主導権争い。それに巻き込まれる武人や官僚、市井の人々。グインだけでなく、主要キャラクターは常に戦いの渦中にいます。

 グインは自身が誰かを知るのが目的。長い放浪を経て、北の大国で傭兵となり、すぐに将軍として頭角を現します。パロでは国を取り戻す戦いが始まります。その中心は王子レムスでなく、従兄で知勇に優れた美貌の青年ナリス。ナリスの立ち位置、存在感、その能力の高さが、波乱を呼ぶことになります。

 冒頭のグイン、リンダ、レムスの冒険譚にはもう一人主要な人物がいます。紅の傭兵を名乗るイシュトヴァーン王になるという予言を信じ、玉座につくまでさまざまな戦いに身を投じていきます。自分を探す者、国と中原の平和を取り戻す者、戦乱を起こす者。それぞれの思惑が入り乱れ、歴史がどう動いていくのか。戦記物として楽しめます。

恋愛物語

 青年が多く登場する物語。恋愛も物語の軸の一つになっています。結婚して子どもが生まれるカップルもいれば、いがみ合うカップルも、何度も裏切られる人物も、どんどん交際相手が変わっていく人物もいます。国や歴史の物語であっても、動かしているは一人一人の人間。複雑な人間関係は物語の本筋に大きな影響を与えていきます。

 

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