図書館の利用法が分からない方へ|おさがしの本は

処方

おさがしの本は(門井慶喜)

効能・注意

・無料の貸本屋ではありません。

・冷房のきいた仮眠室ではありません。

・上手く活用すれば世界が広がります。

こんな話

 和久山の職場は図書館のレファレンス・カウンター。利用者の依頼で本を探し出すのが仕事だ。だが、行政や利用者への不満から、無力感に苛まれる日々を送っていた。ある日、財政難による図書館廃止が噂され、和久山の心に仕事への情熱が再びわき上がってくる…。連作短編集。

図書館を利用しますか?

 本好きなら一度は憧れる職業。それが本屋さんです。先日、一箱古本市に参加しました。それぞれが、一箱分の古本を持ち寄って、1日限りの古本屋さんになれるというイベントです。もちろん、商売としてではなく、本好きとの交流が目的です。参加は僕も含め6店。いずれも品ぞろえが全く違う。ベストセラーばかり並べた一般書店やアルゴリズムでお薦めを紹介してくるネット書店では味わえない雑多さに魅了されました。

 図書館の職員も本好きが憧れる職業かもしれません。ただ、貸出サービスを利用するのはほんの一部の市民で、その利用が本屋でひょいと買える新刊本ばかり。夏は冷房目当てに涼みに来る人、お金がもったいないと人気作家の新作をごっそり借りる人。決して文化的といえない空間でも、図書館は必要なのか。主人公とともに考えてみてください。僕は主人公の辿りついた答えに納得でした。僕は普段図書館で本を借りることはないですが、たまに必要です。

タイトル覚え違い

 本のタイトルや著者名を間違って覚えていることありますよね。福井県立図書館の覚え違いタイトル集が話題になりました。「100万回死んだねこ」。そういわれてみると、そんなタイトルだった気がしますが、実は「100万回生きたねこ」なんですね。「おい桐島、お前部活やめるのか?」「人生が片付くときめきの魔法」。微妙な違い分かりますか?

 図書館の職員はこうした覚え違いを推理しながら、来館者が求める本を探し出します。本書も冒頭に持ち込まれる案件が「シンリン太郎」。「森林太郎(もりりんたろう=森鴎外の本名)ではないですか」と答えるところから始まります。

 会社の先輩も「三浦おしん」の作品面白いよねと言ってきましたが、何しろジョークと本気の境がはっきりしない人なので、「昭和の朝ドラか」と突っ込むこともできず、返答に苦労しました。三浦しをんさんの事だったはずですが、真相は確認できていません。

クイズ

 作品中に出された難題。「日本語の外来語の輸入の歴史をまるごと含む」「人間の子供が最初に発する音によってのみ構成される」本。これって何だか分かりますか?。答えは誰もが知っている作品なのですが、僕はこれだけでは全く見当もつきませんでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA