わかっていても(2024年、日本)
つらい別れを経験した後、恋愛から離れて作品制作に打ち込んできた美羽。だが、とらえどころのない魅力的な芸術家と出会ったとき、心の奥底に抑え込んでいた感情が大きく動き始める。(ネットフリックス公式ページより)

恋愛ものは決して嫌いではないのですけど、なかなか夢中になれる作品が少ない。韓国ドラマのリメークですが、韓国版は観ていません。1話30分程度で、さくさく観られて、映像も出ている役者さんもきれい。気軽に観るにはなかなかよかったです。
お薦め度
わかっていても、やってしまうことありますか?
わかっていても、やってしまうことありますか?大抵の人はありますよね。これ、この時間に食べたらダメだと分かっていても食べてしまう。あと10分寝たらダメだと思っても寝てしまう。この仕事受けたら、スケジュールめっちゃ狂うと分かっていても受けてしまう。などなど。深刻度は違えど、そんな場面はあるはずです。
それを言えば僕も、年上のシングルマザーと結婚したら大変だと分かっていても、していますしね。実はまあ、そんなに大変でもないけれど。でも、その辺の安っぽいドラマよりいろいろドラマチックな展開はありますけどね。それを書いた方が読んでもらえるような気はしますが、プライベートの切り売りはまだ避けたいので。それはわかっていても、やりません(笑)
群像劇
最近、ドラマで一人一人の人物を取り上げながら進む群像劇が流行っているような。特段新しい手法ではないですが、サイレントで成功して以降、そんな傾向があると感じるのは気のせいでしょうか。
この作品も主人公の男女を中心に、脇役たちそれぞれにスポットを当てる構成になっています。なかなかいい役者がそろっています。主演の横浜流星は男性から見てもめちゃくちゃ顔がきれい。女性がどんどん寄って来る設定も説得力があります。ヒロインの南沙良は今までもドラマで見たことはあったのですが、この作品が一番かわいい。これはかなりかわいいかったです。
いつかブレイクすると思っていたけれど、今でもブレイクしていないヒロインの先輩役・浅倉あきもいい味を出しています。自分の才能を信じ切れず芸術の道から一度は外れる。でも、後輩の面倒見はいい。後輩の女子に思いを寄せる。一番背景が複雑な登場人物ですが、うまく演じています。そのほかのキャラクターは正直、背景が薄いですね。主人公、ヒロインも含め。
ラブストーリーに足りないもの
ラブストーリーは決して嫌いではないのに、面白いと思える作品になかなか出会えない。人生における恋愛の比重が低いせいかもしれませんが、どうも恋愛の比重が大きすぎる役柄に感情移入できないのです。むしろ、仕事とか勉強とかをもっと頑張らなくていいのかと言いたくなってしまう。
ラブストーリーに足りないのは切実さなのかもしれません。足りないものというか、僕が足りないと思うものですが。この人でなくてはダメ、この人の目を引き付けたい。なるほど、その心理は理解できます。でも、それだけではないでしょう。あなたが切実なのはそれだけなのか。ついつい思ってしまう。
でも、学生の恋愛ものマンガは結構好きなんですよね。北崎拓の「たとえばこんなラブ・ソング」「ふたり」なんかは何度も読んだし、最近の作品でいえば「からかい上手の高木さん」もめちゃくちゃいい。古典では「めぞん一刻」とか。こうした作品と最近のラブストーリーのドラマの何が違うのか。一人一人の背景の深さと、切実さなのかな。
韓国ドラマと日本のドラマの違い
妻が韓国ドラマが好きでよく見ています。僕はあまり見ていないのですが、大げさだったり、都合よすぎる展開とかはう~んと思うことがありますが、エンタメでも社会性があるようには感じます。日本のドラマはどうでしょうか。薄っぺらい作品が多い、のかもしれません。社会派と呼ばれる作品もいくつかあって、一定の評価を得るけれど、そういう作品はなかなか広く広がらない。見る人を初めから狭めてしまう。「わかりやすさ」至上主義に支配されていく日本の将来はかなり心配です。とドラマを見ているだけで、ちょっと思ってしまうのは短絡的かもしれませんが。
編集後記
年末年始についつい続けて観てしまった作品。それなりに続きは気になるし、出ている人はみんなきれいで、チープな設定も1話30分だとそれほど気にならない。でも、求めているのはこれではないよなと思う自分がいる。心には残らないけれど、それなりに楽しめる作品です。もっと心揺さぶられる作品をみたいな。